同仁会とは

一般財団法人同仁会は、千葉大学医学部附属病院の中で様々な公益活動を展開する法人です。


設立の目的

千葉大学における医学の研究を奨励助成し、同時に附属病院の患者に対する支援を行うと共に利便性の高い療養空間を提供し、且つ、職員学生の学事研修等に便宜を与え、もって医学の振興と社会文化の向上に寄与することを目的としています。


事業内容

 目的を達成するために次のような事業を行っています。

1.医学研究の奨励および助成事業
  医学研究および発表の場である各種学会に、開催費用等の援助を行っています。

2.大学病院運営助成事業
  大学の要請に従って事業協力を行う等、病院運営に寄与する事業を積極的に行っています。

3.患者支援事業
  木の温もりや開放感の感じられるレストランの運営を行う等、癒しの空間作りに努めています。

4.職員及び学生に対する福利厚生事業
  職員学生食堂の運営を行い、低価格で栄養面にも考慮した食事の提供を行っています。

5.大学病院からの委託事業
  病院からの委託を受け検体・滅菌物等搬送、ベッドセンター業務等の業務を行っています。

6.入院療養に必要不可欠の諸施設の便宜の供与事業
  売店、理容室等の運営を行い、院内生活の利便性の向上を目指すと共に、院内唯一の憩いの空間作りに努めています。

7.銀行代理業、銀行代理業に係る業務
  患者及び職員学生に便宜を図るため、病院内簡易郵便局の管理運営業務を行っています。

8.保険薬局事業
  院外処方箋を取り扱う保険調剤薬局の業務を行っています。

9.施設警備に係る請負事業
  患者及び医学部・病院に勤務する職員の駐車場整理業務を行っています。

10.研修医宿舎管理運営事業
  研修医宿舎の建設を行い、管理運営業務を行っています。

11.その他、目的を達成するために必要な事業


設立までの経緯

 一般財団法人同仁会は、「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律」第45条の規定に基づき、千葉県知事より認可を受け、平成22年4月1日、財団法人同仁会より移行いたしました。
 しかし、その前身は遠く130余年の過去に遡る歴史があります。現在の千葉大学医学部附属病院の前身である県立千葉病院が明治21年4月に設置され、ほぼ同時期に、学用及び施療患者の保護と慰藉を目的として貧窮患者救済会が設立されたことが、同仁会の起源となっております。設立当時は、学用患者・施療患者の分娩の際に初衣を贈る程度の、小範囲の事業を行っておりました。その後各時代の要請に応じて、医学の奨励と助成事業、看護婦の養成と派遣事業、患者及び職員学生に対する便宜の供与事業、病院助成事業等を順次実施して、設立目的達成に努めて参りました。
 この間の大正12年4月に行われた官制改正により、県立千葉病院が千葉医科大学附属医院となるに及び、貧窮患者救済会から金7,238円86銭5厘を基金として引き継ぎ、『学用患者の保護及び慰藉。看護婦及び傭人の慰藉。入院患者の便利と認める事業経営』を目的として財団法人救済会が設立されました。
 この時代の特筆すべき事項として、院内の看護婦不足が上げられます。正規看護婦は、医師の診療介助に追われ、施療患者の身の回りの世話まで手が回らないのが実状でした。この看護婦不足を解消すべく、大正13年に当会は、独自の立場で看護婦の養成を行い、院内の看護婦不足の解消の一助となりました。この事業は、昭和7年には千葉医科大学附属医院同仁会看護婦養成所として学内に位置づけられ、学内の協力を得つつ昭和21年まで継続され、年々20名の看護婦が養成されて行きました。
 又、昭和5年には、山梨県富士山麓の山中湖畔に7,800坪の土地と建物を取得し、ここに夏期診療所及び学生寄宿舎を置き、運営を千葉医科大学に一任することによって、医学生の福利厚生と医学の奨励に貢献した事も大きな事業と言えます。更に、この土地建物は、昭和26年には千葉大学医学部に寄贈される事となります。
 この当時の社会情勢の変化は目まぐるしく、時代の要請に応じていく為には、当会自体も旧来の事業目的を一新して、新たな事業展開を行う必要性が高まってきた事から、財団法人救済会から金57,350円25銭を基金として引き継ぎ、事業目的を『入院患者に救恤を行い且つ千葉医科大学の学事の奨励と職員学生に便宜を与える他必需品の供給並びに労務の供給を行う』こととして、昭和6年12月14日、民法第34条の規定により、文部大臣の認可を得て千葉医科大学附属医院同仁会が設立、また昭和24年に千葉大学医学部附属病院同仁会、昭和29年に財団法人同仁会と改称されました。
 その後、二度の新病院落成と言う慶事を経験し、事業を発展させつつ現在に至っておりますが、太平洋戦争、学生運動、オイルショック等の時期は、事業環境が激変し、事業の縮小または中断を余儀なくされた時期もあり、また新病院の落成によって事業が大幅に拡大・充実した時期もありました。それぞれの時代に、職員が心を一つにして一致団結し、当会の設立目的達成の為に努力してきた事が、現在に結実しているものと考えます。